■遊びと仕事の関係■

鮎釣り
鮎釣り

●しっかり遊んでいない人にいい仕事はできない 作家 夢枕 獏 氏 1951年生

現在、僕は14本の連載を抱えていますが、年間50回は釣に行っています。

冬のワカサギに始まって、春は小川の雑魚釣り、タナゴ釣り、渓流釣り。夏には鮎釣り、秋にサ−モン、アメマス、年の瀬にはカワハギ釣り………。さらに、「食楽」の仕事で1回につき1週間程度、「海外の大物釣り」に出かけます。

「たくさん仕事を抱えながら、よく時間が取れますね」と驚く人もいますが、わりとどこでも書ける体質なんですよ。僕は手書きなので、原稿用紙と資料さえ持っていけば、なんとか書ける。昼は釣りをして、夜や早朝に原稿を書く。移動中も、とりわけ飛行機の中なんて集中できますね。本来、原稿を書く時間というのは無限に必要なわけです。書こうと思えば、いくらでも時間を埋められる。ひとつの仕事が終わっても、すぐに次の仕事が待っている。つまり、「仕事を終わらせてから釣りに行こう」なんて思うと、いつまでも行けない。だから釣りにはもう行っちゃうしかないですね。そうしないと仕事以外、何もできない生活になつてしまいますから。

周りを見ても、「遊んでいる人」のほうがいい仕事をしていると思います。

特に旅行会社の人なんて、しっかり遊んでいないとダメでしょう。どこにも遊びに行ってない人が資料だけで企画を立てても、面白いツア−は組めない。「食楽」の編集者なら、食べ物に興味を持って、プライベ−トでもうまいもん食ってなければ作れない。作家の場合も、いかに好きなことやつているか、いかにいろんなものを見ているか、いかに遊んでいるかが問われるわけです。結局、あらゆる職種の人に言えることだと思いますよ。いろんなことをやっている人のほうが情報持っていますから。

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