がんは「体の老化」の一種

残照 東山魁夷 画 1908−1999
残照 東山魁夷 画 1908-1999

●がん検診で早期発見・早期治療を
東京大学医学部付属病院放射線科准教授 中川 恵一 氏 1960年生

日本人の2人に1人が生涯にがんになり、3人に1人ががんで亡くなると言われています。にもかかわらず、がんに対する知識が少なく、漠然とした不安を抱えている人が多いようです。がんとは何なのか。

がんを一言で言うと「体の老化」の一種です。私たちの体は毎日、細胞分裂を繰り返していますが、たばこや化学物質などによってDNAに傷がつき、突然変異で「不死細胞」ができます。これががん細胞で、健康な人でも毎日約5,000個もできると言われていますが、通常は免疫細胞が退治しています。しかし、退治しきれずに、たった一つでも生き残ると、1個が2個、2個が4個と倍々ゲ−ムで増えていき、やがて「がん」になっていくのです。

がんは早期であれば、ほぼ完治できます。早期発見の切り札が、がん検診なのです。ただ、1センチ以下のがんは見つけるのが難しく、早期がんとといえるのは2センチくらいまで。1センチのがんが2センチのがんに成長するには、約1年半しかかかりません。早期がんを発見できるチャンスはとても短いのです。しかし、逆に言えば1−2年ごとにがん検診を受ければ、がんを早期で発見でき、ほぼ治すことができるといえます。

世界一の長寿国である日本は、世界一のがん大国でもある。私たち一人ひとりが、がんについて正しい知識を持つことが重要です。まずは、今すぐできるアクション、がん検診を受けることから始めてほしいと思います。

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