女性が長生きする理由

座せる女 パブロ・ピカソ 画 1881−1973
座せる女 パブロ・ピカソ 画 1881−1973

●「女性に近づく」努力を 京都府立医科大学大学院教授 吉川 敏一 氏

女性が男性よりも、長生きする要因をいくつかあげることができる。

まずは鉄。鉄は赤血球の生成に不可欠で、酸素を全身に運ぶ役目を担うものとして知られている。体内の鉄が過剰になると、活性酸素の産生を促し、酸化ストレスが生じる。ウイルス性肝炎の増悪原因の一つとしても肝臓内の鉄の存在があげられる。

女性は月経などで多量の鉄を失い、男性より鉄貯蔵量が少ない。活性酸素による障害が少なくなっている。

一方、人間は体内で絶えずエネルギ−を消費している。生命活動の維持に必要な最小限のエネルギ−量を基礎代謝と呼ぶが、この量は体の表面積によく比例する。小柄な女性の方が男性より基礎代謝は低く、少ないエネルギ−消費量で生活している。女性が一生の間に消費する酸素の量は男性より少なく、発生する活性酸素の量も少なくなる。

女性はまた女性ホルモンという強力な活性酸素を消去する抗酸化物質を男性より多く産生する。閉経を迎えるまでは、男性よりも活性酸素による障害を強く受けずに過ごすことができる。

男性は女性ホルモンに似た抗酸化作用を持つビタミンEやイソフラボンを食事から多く摂取し、体重を減らして基礎代謝を低下させるなど、一歩でも「女性に近づく」努力をしなければならない。

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