■サイコロ勝負学■
●ヒットは運ではありません プロデュ−サ− 鈴木 敏夫 氏 サイコロから人生を学んだんですよ。出版社に勤めていた20代後半のころ、機会あるごとにサイコロのゲ−ムに興じた。30時間以上も夢中で振り続けた時もある。先輩にさんざんたたきのめされた。サイコロを100個買ってきて100回ずつ振り、何の目が出やすいか表にしてみた。結局、サイコロの目をコントロ−ルすることは不可能だ、という結論に達した。 ではコントロ−ルできるのは何か。それは自分だ。ゲ−ムの流れを読み、感情を乱らさなければ勝てる。3回続けて小さく勝ったら1回大きくかける、というル−ルを決めた。夢を叶える方程式だ。それからは負けたことがない。 ポ−カ−フェ−スを保ち、場を読んで流れが来るまでじっと我慢、最終的に勝負に勝つ。お楽しみは最後。プロデュ−サ−という仕事に、この教えが生きている。 「崖の上のポニョ」は、公開3週間前に宣伝を集中させた。周りは焦ってせっついたけど、我慢だ、待て、と抑えた。情報過多の今、観客が映画のことを知りたがるタイミングは直前である、と時代の流れを読んだ。 さいの目は思い通りにならない。明日のことなどわからない、ケ・セラ・セラ。サイコロを見ると、自分と重なるね。 |