| ■苦しみからの脱出■
●苦しみからの脱出 花園大学教授 佐々木 閑 氏 人の心には、苦を生み出す仕組みが備わっている。心には、煩悩と呼ばれる悪要素がいくつもあって、それが外的な原因をきっかけとして活発に動き出すと、現実に合わない誤った認識が起こり、叶うはずもない願望を生み出す。 たとえば気に入った物が手に入ると、「貪欲」(どんよく)という煩悩が動き出し、「これは私の物だ。私だけが、この物を自由にする権利があるのだ」と認識し、そして「これを永久に持ち続けたい。永遠に生き続けて、いつまでもずっと持っていたい」という、叶うはずのない願望が生まれてくる。 叶うはずがないのだから、当然最後には願望が失望に変わり、心はもだえる。そのもだえが苦しみとなるのだ。だから苦を根本的に取り除くには、その「苦を生み出す仕組み」そのものを消すしかない。 煩悩を刺激する外的な原因は、世の中に無限にあって、それを消すことなどできないから、「心の中の仕組み」の方を消すのである。それが「修業による心の改良」である。 |