「放浪記」2千回を目指す

チュ−リップを持った少女 マリ−・ロ−ランサン 画
チュ−リップを持った少女 マリ−・ロ−ランサン 画

●「放浪記」2千回を目指す 女優 森 光子 氏 1920生

マラソン選手の心境でもあるんですが、当日は、どんな気持ちで迎えるんでしょうね。怖いようですが、楽しみで、神様に祈るような気持ちです。

2千回はもちろん大切なことですが、もっと大事なのは続けること。5月末の千秋楽が来ても、終わったという感じにはならないと思う。お越しいただけるお客様が一人でもいらっしゃれば、再演すべきだと思い始めています。

正直に言って、こんなに長くやれるとは思ってみなかった。菊田先生の脚本のすごさですね。人間の弱さ、ずるさも書き、こまやかな表現が他とは違う。今回は快いテンポで導入部にリズムを付けようと思っています。一回一回変わりたいんです。

あっ、今気づきました。げたを足にひっかけて、ぽ−んと放って、鼻緒が上か下か、どう出るかわからない。私、明日というものは、こういうものと思っています。無常観に近いですが、だからいいんです。

3千回は、まだベ−ルの向こうですが、2500回は、そうですね、ちょっと見えるように思うのです。

※5月5日〜29日、東京・帝国劇場で「放浪記」を上演。単独主演の上演記録を更新中で、同9日には89歳の誕生日とともに通算2千回を迎える。

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