| ■日々是修行■ 
仏教伝来 平山郁夫 画
●仏教を語るということ 花園大学教授 佐々木 閑 氏
仏教は、人が歩むべき道を説き示す宗教だが、その基本は、「誠実に暮らしながら修行に励め」ということだ。だから、仏教を信奉する者は必ず、誠実な生活を心がけなければならない。穏やかに実直に生きることが釈迦の教えの第一歩なのである。ということは、平気で他人を傷つけるような人は、基本的なところで仏教が分かっていないということになる。
たとえば誰かが、「仏教とはこれこれこういう教えだ」、と主張したとしても、その言い方が、人を貶(おとし)め、尊厳を踏みにじる乱暴なものなら、その人自身は仏教が分かっていないということになる。したがって、その人が説く「仏教」そのものが信憑性(しんぴょうせい)を失う。釈迦の教えを人に伝えるための言葉は、必ず穏やかで理を尽くしたものでなければならない。仏教を伝える場合には、「正しいこと」を、「正しいかたち」で語ってはじめて正当性が認められるのである。
世の中には仏教を語る人が大勢いる。信条や個性の違いで、内容は様々だ。心の中の問題だから、科学と違って白黒はつけられない。しかしすくなくとも、乱暴で傲慢(ごうまん)な言葉で語られた仏教に真実はない。それは確かなことだ。この基準は良い仏教と有害な仏教を見分ける際の重要なポイントである。

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