一流の人間は極限まで行く

飛鳶 國領經郎 画
飛鳶 國領經郎 画

●一流の人間は極限まで行く 作詞家 秋元 康 氏

世界的バレエ−ダンサ−吉田都と食事をした。それがどれくらい凄いことなのか、バレエファンの妻から聞かされていたので緊張した。

立ち振る舞いが美しい。ワインを飲む姿勢もナイフやフォ−クを動かす指先も笑顔も絵になる。肉体を使って表現する芸術というのは、その所作のひとつひとつが織りなすスト−リ−だ。

「成功の秘訣は何ですか?」。僕は、にわかインタビュア−になって聞いてみた。「バレエが好きだっていうことしか思い当りません」。照れくさそうに答えた。そんな簡単なことかと思うかも知れないが、問題は好きの度合いだ。普通の好きでは世界には通用しない。

それにしても、よく、食べるなあ。よく、飲むなあ。そこに彼女の秘密がある。食べることを抑えて外見の美を追求するようでは、「プリンシパル」にはなれない。鍛え上げられた肉体と内面のエネルギ−が一体化した時、初めて美の極限が生まれるのだろう。

彼女を見ていると、生命力にあふれているのがわかる。「プリンシパルから降格されることもあるんですか?」「降格はありません。クビになるだけです」。さらりとそう答えた彼女は、確かに極限の中で生きていると思った。

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