●天国のお子様ランチ●
●天国のお子様ランチ 数年ぶりに主人とディズニ−ランドに遊びに行きました。 この日は、1年前に亡くした娘の誕生日であり命日でした。娘はからだがとても弱くて、生まれて間もなくこの世を去ってしまったのです。主人とずいぶん長い間、深い悲しみにくれました。助けてあげられなかったこと、なにひとつ我が子にしてあげられなかったのがいまでも悔やみきれません。 「子どもが生まれたら、ディズニ−ランドに連れて行きたい」という夢を果たすこともできませんでした。そこで主人と話し、その日は供養のために訪れたのです。 家を出る前にガイドブックを見て、かわいいお子様ランチがあることを知りました。それを娘にぜひ食べさせてあげたいと思い、ワ−ルドバザ−ルにあるイ−ストサイド・カフェに入ったのです。 ところが、そのお子様ランチは8歳以下の子どもにしか注文できないメニュ−だとわかってすぐあきらめました。ディズニ−ランドはとてもマニュアルがしっかりしているところだと聞いていたからです。ただ事情だけでも知ってほしくて、ついお店の人に話してしまいました。 するとお店の人は「では3名様、こちらへどうぞ」と言いました。そして隣の4人掛テ−ブルに子ども用の椅子を置き、私たちを笑顔で迎えてくださったのです。「本日はよく来てくださいました。どうぞご家族で楽しんでいってください」 その方はまるで我が子がその場にいるように、私たちをもてなしてくださいました。 わたしは感激で胸がいっぱいになり、その場で涙があふれていました。おそらく主人も同じ気持ちだったと思います。これで娘がいたらどんなに幸せだっただろう。 お店の方々にとても親切にしていただいて、かわいいお子様ランチも食べられて、娘もさぞ喜んでいただろうと思います。本当にありがとうございました。あのときのお礼をどうしても言いたくて手紙を書きました。 娘は天国にいってしまったけれど、これからも愛し続けて、一生一緒に生きていこうと思います。また娘を連れて、そちらに遊びに行きたいです。 (「最期のパレ−ド」中村 克 著より) |